“市民の図書館”の資料保存問題
講師:山口源治郎氏
東京学芸大学特任教授
多摩地域の図書館は、『市民の図書館』(1970年発行)に触発され次々と設置されてきました。以後50年、資料提供に力を注いで図書館が日々の暮らしに根付いたのは確かですが、一方で資料保存の問題は、ほとんど課題として取り上げられてきませんでした。 逼迫する書庫スペースとうなぎ上りの出版点数。全国では図書館の資料保存の取り組みも始まっています。建設から相当年数が経過する多摩地域でも、特に21世紀に入って、資料保存の問題が資料提供と表裏の問題として意識化されつつあります。これから、この問題について私たちはどのように考え、どう取り組んでいけばよいか、山口先生のお考えをお話していただけることになりました。コロナ禍の中ですが、感染予防対策をしっかり講じた上で開催することを決定しました。皆様のご来場をお待ちしております。
*講演会のビデオを後日視聴できるようにすることも計画しています。
日 時:2020年11月29日(日)午後2時から4時まで
会 場:国分寺労政会館第3会議室
(国分寺駅南口徒歩5分)
国分寺市南町3−22−10 TEL:042−323−8515
定 員:70名(この会場の通常定員は150名)
資料代:500円
会員外の方も参加できます;
チラシをダウンロードできます。
申込み:
E-Mailにてお名前と所属をお知らせください
都立中央図書館の保存、修復 ー見る・聞くー
中止とします。
都立図書館から参加者および関係者の健康・安全面を第一に考慮し、新型コロナウイルス感染拡大防止策のため、見学の受入れを取りやめるとの連絡がありました。
(2020年2月20日)
昨年12月の第37回多摩デポ講座では、長年都立図書館で資料の保全・修復に携わってこられた眞野節雄さんに、水に濡れると固着してしまう塗工紙の救い方を実演を交えて教えていただきました。改めて、「備えに勝る対策なし」の思いを強くしました。
そこで、「百聞は一見に如かず」。都立図書館の実情を見せていただくことにしました。見どころは3本です。
☆都民の書庫! 都立図書館の収集保存方針をうかがいながらの書庫見学
☆地域資料の現場! 1F「都市・東京情報コーナー」の見学
☆眞野さんの仕事場! 資料保全室のお仕事見学
チラシをダウンロードできます。
日 時:2020年3月2日(月)午後2時から3時30分まで
集 合: 午後1時50分 中央図書館職員入口(利用者用入口から右側に回った角)
会 場:東京都立中央図書館 (港区南麻布5-7-13)
東京メトロ日比谷線 広尾駅 1番出口から徒歩8分
申込み:
E-Mailにてお名前と所属をお知らせください
〆 切:2月24日(月)(会員外の方も参加できます)
水濡れから本を守ろう、本を救おう! 〜災害多発の今、知っておきたい知恵と技〜
講師:眞野節雄氏
JLA資料保存委員長・都立中央図書館 勤務
『水濡れから図書館資料を救おう!』編著者 JLAブックレット 日本図書館協会 2019年10月刊
台風、水害で被害にあわれた方、図書館にお見舞い申し上げます。ここ数年、各地で地震、風水害、火山噴火などの自然災害が相次ぎ、日本が災害多発の国とあらためて実感します。この秋の度重なる台風でも、全国で約100館の図書館が水害にあいました。朝日(10/20)、日経(10/28)など各紙で図書館の被害と眞野節雄氏のアドバイスが取り上げられ、関心が高まってきています。
眞野氏は都立図書館で長年、本の修復に携わってこられました。災害で資料が受ける被害には色々ありますが、想定するべき優先順位は圧倒的に水損=水濡れだと指摘します。
東日本大震災の津波で泥にまみれ固まった本を、試行錯誤しながら、驚くほど復元できる技術を開発しました。講座では簡単な実技も交えて、予防対策から水濡れ資料修復法と心構えを学びます。図書館職員だけでなく、市民一人一人が知っておくといざという時に役立つことです。ぜひプロの技を間近で見て、図書館や家での本の水濡れに備えましょう。
チラシをダウンロードできます。
日 時:2019年12月7日(土)午後6時30分から9時まで
公立図書館の除籍と保存、共同保存の実態−『公立図書館における蔵書構成・管理に関する実態調査報告書』(全公図)を読みながら−
講師:伊藤民雄氏(実践女子大学図書館)
星野翼氏(埼玉県立久喜図書館)
全国公共図書館協議会(全公図)は今年3月、『2018年度(平成30年度)公立図書館における蔵書構成・管理に関する実態調査報告書』(注)を発表しました。
調査の主旨は、ICT進展で公立図書館の蔵書を巡る状況にも影響が出て印刷資料だけでなく多様な情報源の整備が求められている、増え続ける蔵書による保存スペース(書庫)狭隘化の問題やどのような資料・情報を収集し保存するかとの課題にも対応するため、とのこと。実態の把握が待たれていたもので、それに全国の公立図書館ほぼ全館から回答を集めた注目すべき調査です。特に新設館でない図書館の“除籍“や“保存“の実態には、共通に抱える弱点が如実に見えてきます。どうしたらいいのでしょう。
チラシをダウンロードできます。
オープンブックカメラを使った書誌情報作成と書誌同定のしくみ
講師:吉本龍司氏(株)カーリル
結城智里氏(一財)機械振興協会経済研究所BICライブラリ
担当者(株)ブレインテック
各館の資料情報に書誌割れがあり、ISBNがない資料や地域資料では資料の同定が確実にできない問題があります。それを解決する方法の一つが書影だと思います。
書影(資料の表紙・裏表紙・背の画像)を一度に撮影できる「オープンブックカメラ」をカーリルが開発しました。
チラシをダウンロードできます。
日 時:2019年3月22日(金)午後1時30分から5時まで
午後1時20分 図書館入口前に集合、時間厳守でお願いします。
会 場:小平市中央図書館視聴覚室
(西武多摩湖線青梅街道駅から徒歩5分)
事前申込制:希望者は多摩デポへ3月20日(水)までにメールでお申込みください。
参加無料:会員外の方も参加できます
武蔵野美術大学美術館・図書館 イメージライブラリー 美術館企画展 見学会
武蔵野美術大学の美術館・図書館は、美術館・博物館・図書館の機能を併せ持つ、知の複合施設です。図書や雑誌だけでなく作品にも親しめるような美術大学ならではの図書館として2011年にリニューアルしました。図書館、(映像資料を備えた)イメージライブラリー、民俗資料室、美術館などがつながっています。
機能的で美しい施設を見るのも目的の一つです。2階には(利用者の検索性と散策性を両立させようとしたという)渦巻き状の低書架の配置が有名です。
1階には、(書物に関する本、印刷や表現に関する本を集めた)ブックギャラリー、絵本ギャラリー、(展覧会図録を集めた日本有数の)カタログギャラリーがあります。
開催中の企画展は「和語表記による和様刊本の源流」。造形研究センターの5年間のプロジェクトの完成年度として、近世の木版印刷の書物の数々を展示しています。
平日ですが、案内付きで見せていただけるまたとない機会。ぜひご参加ください。
チラシをダウンロードできます。
所在地:武蔵野美術大学美術館図書館 小平市小川町1−736
日時:11月14日 水曜日 午後2時から4時まで
集合:鷹の台駅改札(西武国分寺線)午後1時30分 玉川上水沿いを歩いて向かいます(約18分)場所のわかる方、バスの方は
大学正門に午後1時50分集合
参加費無料:(会員外でも、どなたでも参加できます)
申込み:参加人数を把握したいので、なるべく11月12日までに、
E-mailかFAXでお申し込み下さい。
図書館計画で書庫をどう考えたらいいのか
講師:寺田芳朗氏(株)寺田大塚小林計画同人(図書館建築・都市計画コンサルタント)
寺田芳朗さんは、時々の図書館界の考えと自治体や市民の要望に向き合ってきました。1980年代からの活発な図書館新設の中で、緻密な計画と計算に基づき大きな仕事をしてこられました。神奈川県大磯町、福岡県苅田町、佐賀県伊万里市、埼玉県小川町、千葉県君津市、福島県南相馬市などの建築を手掛けられ、これらは開館後の運営や利用も含め、今でも見るべき図書館と言われています。
当初は(新しい運営経験が図書館界に乏しく)保存や書庫への関心が薄い時もありましたが、経験が全国に蓄積される中で、利用と保存を意識した書庫が図書館計画、建築上で認識されるようになります。寺田さんも「公開書庫」を提案しています。しかし資料運用、開架と書庫の関係など、よき図書館を作るためにはさらに議論が深まる必要があるとおっしゃいます。
多くが開館4〜50年を迎える多摩の各市には、新築、移転あるいは廃館を含めた図書館再編の話題があります。そんな中、議論を重ねた「多摩市立図書館本館再構築基本構想」が決まり、同市HPで公表されています。寺田さんはこの策定委員会で支援コンサルタントを務められました。お話は、もちろん書庫だけの議論ではありません。
どこの図書館職員にも市民にも参考になると思います。ぜひおいでください。
チラシをダウンロードできます。
場所:立川市女性総合センター・アイム5階 第2学習室(JR立川駅北口 中央図書館のビル)
日時:8月6日 月曜日 午後6時30分から8時45分まで
資料代:500円
定員:36人(会員以外の方も参加できます)
見学会 「食の文化ライブラリー」の見学と、経験を聞く会
実用書もさまざまですが、東京には「旅」「化粧」「広告」などを専門とする図書館があり一般公開され、どれも面白いものです。今回は港区の「食の文化ライブラリー」を訪ねます。味の素グループが1991年に開館し、食文化を中心に、食材・料理・食生活などの資料を集める図書館。大半が開架で、館外貸出もしています。
学術資料もありますが、身近な図書館でも扱う実用的な本・雑誌をきちんと整理、保存を続けたらどうなるか想像を刺激されます。
チラシをダウンロードできます。
所在地:港区高輪3の13の65 味の素グループ高輪研修センター内
味の素食の文化センターのホームページはこちら
日時:3月19日 月曜日
集合: 午後1時30分 地下鉄都営浅草線 高輪台駅改札集合 図書館へは徒歩3分
(先に図書館に行っていることも可。午後2時から別室で説明を聞きます)
参加費無料:(会員外でも、どなたでも参加できます)
申し込み:参加人数を把握したいので、なるべく3月15日までに、
E-mailかFAXでお申し込み下さい。
第31回 多摩デポ講座
見学会「印刷博物館」と企画展「キンダーブックの90年」
凸版印刷(株)が作った、世界規模の新しい見ごたえある博物館です。団体見学を申し込んであり、展示案内と館内の印刷体験工房「知るコース」の説明をしてもらえます(計約1時間)。あとは自由見学とします。
ちょうど館内では、月刊保育絵本キンダーブックの90周年企画展を開催中です。会員外でも、どなたも参加できます。お誘いあわせのうえ、ご参加ください。
チラシをダウンロードできます。
所在地:文京区水道1の3の3 トッパン小石川ビル
印刷博物館のホームページはこちら
日時:12月17日(日)
集合: 午後1時30分 JR飯田橋駅東口集合 一緒に向かいます(徒歩約13分)
(会場のわかる方は、博物館入口での午後1時45分の待ち合わせも可)
参加費:入場料500円のみ
申し込み:参加人数を把握したいので、なるべく12月14日までに、
E-mailかFAXでお申し込み下さい。
第30回 多摩デポ講座
パネルディスカッション 除籍候補資料の処理を考える −除籍と保存のジレンマを解消するために−
パネリスト・中原千佳氏/西東京市図書館 ・吉本龍司氏/(株)カーリル代表 ・堀越洋一郎/多摩デポ・理事
コーディネーター 齊藤誠一/多摩デポ・理事
TAMALASの発展形、大量一括蔵書確認システムがまもなく公開されます。図書館現場の除籍と保存の流れに、どのように組み込んで使うことができるでしょう?
チラシをダウンロードできます。
第29回 多摩デポ講座
見学会 新・都立多摩図書館バックヤードツアー
1月29日に移転開館した新しい図書館です。お誘い合わせの上、ご参加ください。
新都立多摩図書館への提案ですが、市町村立図書館と連携した共同保存図書館を全国に先駆けて作ることを切望します。これまで多摩デポでは各自治体で除籍対象となった資料のうち多摩地域の図書館全体で最後の2冊1冊となったことが確認されたものは当面その図書館で保存する方向で資料の共同保存の仕組み作りを模索してきました。新たに開館する都立多摩図書館で、実像としての共同保存図書館の構築を実現させていただきたいと願っています。
共同保存の資料の中には、都立では未所蔵の資料もあり、都立図書館としての所蔵資料にも幅が出て、全体的な蔵書の充実が図れ、資料提供サービスの拡大に繋がると考えます。
都立図書館への期待を的確に捉えるならば、市町村立図書館の長年の要望である、多摩地域で最後の2冊本を確実に保存し、都立図書館を含めた都全域を対象とした資料保存の最強システムを誕生させることも可能になると考えられます。これまでなかった市町村と連携した共同保存という新たな機能を備えることで、都立多摩図書館新設の一層の意義が期待できると思います。
チラシをダウンロードできます。
日時:3月6日(月) 午後2時〜3時
集合:都立多摩図書館入口 国分寺市泉町2-2-26 JR西国分寺駅下車 南東へ7分
午後1時50分(時間厳守)
参加費:無料
都立図書館のホームページはこちら